11月だよ!Hiraiです。
10/29の秋M3、Sound Rave ブースにお越し頂きました皆様、有難うございました。
自分は残念なことに当日は行けなかったのでありますが、現地より送られてくるリポートを見ながら
会場の盛況ぶりを想像して楽しんでおりました。次回はぜひ参加したいところです。
ので、不在だったものですから、あまり当日のことは詳しく書けないのですが、
何よりも多くの方に新作「DELETED STORIES」を手にとって頂けたということで嬉しく思っています。
Sound Rave 8 作目のオリジナル作品にして、初のフルアルバム。
渾身の11曲を詰め込みました!いかがだったでしょうか?
イラストレーターのぴーすさんも、可憐なイラストをたくさん描いてくれて、
お陰様で凄く華やかなジャケット、ブックレットに仕上がりました。
何より今回は「STORIES」のタイトルが指し示す通り、
とある物語をコンセプトにした作品になっています。
こちらも初の試みで、曲や歌詞、イラスト等で世界観を表現するというのは
まっ白いキャンバスに多彩な絵の具で風景を描いていくような感覚があり、
完成した瞬間は、何とも表現し難い達成感に襲われたのを覚えています。
リスナーの皆様にはどう伝わっているのか、
それぞれの受け取り方で楽しんでいただければと思います。
自分はコンポーザーでありアレンジャーとしての立ち位置でありますので、
ここからは自分が制作した楽曲について、少し、作曲者目線から掘り下げて書いてみようと思います。
すでに作品を入手されている方は、聴きながら読んでいただくと
様々な気付きがあったりするかもしれませんし、
まだの方は、イメージで連想してみても良いかもしれません。
Tr.1
反逆のシンフォニア / 悠季
今作のリードトラックとして、試聴も最初に公開させてもらった楽曲です。
ボーカルには悠季さん。ゲスト枠として歌唱をお願いしました。
悠季さんは自分個人が元々好きでよく聴いていたサークルで活動されていたシンガーさんで、
今回の作品にあたりオファーを申し上げたところ、快く承諾して下さり、
アルバムのオープニングを飾るトラックが出来上がりました。
聴きどころとしましてはやはり疾走感、激しい展開の中にも壮大さを感じさせるメロディでしょうか。
悠季さんのボーカルは非常にスピーディでありながら、透明感や力強さも感じる歌声で
テンポ感のある楽曲を駆け抜けていく、まさに物語の序章にふさわしい仕上りになったと思います。
曲自体はアニメのOPソングをイメージして制作しました。
ギターを同じく札幌のギタリスト、Kouki Miuraさんにお願いしまして、
非常にロック色の強い音色でぐいぐいと引っ張ってくれています。
本人曰く「久々にこんなに弾き倒しました」というギターソロも必聴です。
Tr.2
Awake / ビスケ
2曲目は安定のSound Raveシンガー、ビスケによる楽曲を持ってきました。
(個人的には)かなり実験的な要素を盛り込んだ曲です。
ミステリアスな雰囲気を持ったピアノのフレーズが特徴な四つ打ちデジタルロックなのですが、
更にそこにミニマルテクノ+ジェントという異なる二つのジャンルを取り入れたことで、
ドープながらも浮遊した世界観が表現できた気がします。
ビスケさんのボーカルはこういう陰りのある音がすごく合うなぁと思っていて、
Aメロの淡々とした雰囲気からサビで一気に開けていくような解放感、
エフェクトを多用するような無機質なアレンジに、クールなメロディラインが
聴きこんでいけばいくほど、癖になっていくような感覚があり、
何気に今作では個人的に表現が上手くできた曲だったりします。
Tr.4
Key / 黄身
この世で一番好きな楽器の音色は何か?と問われれば、
間違いなくローズピアノと答えるのですが、
そんな自分の趣味を全開に作ったR&Bナンバーです。
ボーカルの黄身さんは1年ほど前からSound Raveの作品に参加してくれているのですが、
初めてその歌声を聴いた時から、こういう作風の曲を作りたいと思っていまして、
作ってみたところ見事にベストマッチな、最高に雰囲気のある歌が出来ました。
フェイクとハミングが折り重なりながらフェードアウトしていくアウトロが気持ち良いです。
デモ段階ではもう少し音数の多いアレンジだったのですが、
仮歌が入った段階で、ボーカルの圧倒的な存在感にやられまして、
最低限の音色までバックを減らしてメロディを前に出した仕上りになりました。
間奏のヴィブラフォンはRoy Areys宜しくな感じの、しっとりと、ゆっくりと聴かせるイメージです。
Tr. 8
Figure It Out / ビスケ
手癖でギターを弾いていたところ、自分が10代の頃によく聴いていたような
直球スクリーモ路線の楽曲になりました。
アレンジも極力シンプルに抑え、初期衝動でバンドをやっているようなイメージで、
ロックの良さ、ビスケさんのパワーのある声質を活かしてみようと思い
メロディラインも空に向かって突き進んでいく感じで作ったので、
そんな情景を浮かべてもらえたら嬉しく思います。
歌詞にもある通りなのですが、
葛藤しながらも前に進んでいくという、誰しもが直面するような現実を
ストレートに表現できたのかなと思います。
この曲はもしライブをするならバンドスタイルでガッチリとやりたい!
それくらいシンプルで、Awakeとは真逆なストレートな曲ですね。
Tr. 9
Getting Over / 佐籐アスカ
今回より初参加のシンガー、佐籐アスカさんを迎えた、
90年代レイヴ、ハイパーテクノ感満載の曲です。
アスカさんのボーカルは力強さももちろんながら、闘志に訴えかけてくるようなハッとさせてくれる声で、
派手なトラックにも全く負けることのない、飛び回るような歌唱をみせてくれました。
おそらく、好きな人ならニヤリとできるようなフレーズも各所に盛り込みまして、
自分ならではのルーツリスペクトとでも言いましょうか、
アルバムの中でも一方向に振り切った感じになっている感じがします。
後半ではひたすら畳みかけるようなメロディやアレンジも取り入れたので、
いい感じにテンションが上がる感じになったんじゃないかなと思います。
余談ですがその部分はある曲のオマージュにもなってますんで、
もし気付いた方は、またそこでニヤッと、楽しんでください。
10.
Travel Note / 黄身
Sound Raveのオリジナル作品に収録するものとしては、おそらく初めてになりますが、
自分とKondoの2名で合作して作った曲です。
正確には作曲をKondoが、アレンジを自分が担当しています。
今までのSound Raveには無かった曲になっていると思います。
コード進行も1曲通して変わらず、音数も少なく、メロディと展開のみで聴かせる曲を作りたいと
そのような意図を持ち制作しました。
黄身さんのボーカルが完全に主導を握るバース部分と、音で荘厳に盛り上げるフック部分の対比が
良い感じで表現できたのではないかなと、そんな感じがしています。
Sound Raveは少し懐かしい時代の雰囲気を持った曲が多いので、
この曲はすごく新鮮な気分で制作することが出来ました。
と、自分が制作した楽曲についていろいろと解説させていただきました。
たまにはこのように、後から振り返ってみると
その時その時でいろんな事を考えながら制作していたんだなぁと、
改めて自分の作品を客観的に聴くことができて楽しいですね。
そんなDELETED STORIESは、メロンブックスさんなどで委託販売中のほか、
今後、様々な場所で入手できるように調整中です。
これを読んで興味を持ってくださった方は、ぜひ作品を入手して聴いてみてください!
なお、今回はあとがき①としてHiraiが書きましたが、あとがき②ではKondoによる楽曲解説がありますので、
そちらもぜひ、楽しみにお待ちください。
今後もSound Raveの活動を宜しくお願い致します!